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導入事例 Case Study

企業内カスタマイズ研修

Well-beingプロジェクト 1on1の基本研修 ー“ななめ1on1”を始めるに際してー

株式会社ブリヂストン

Gサステナビリティ戦略統括部門
一色 麻由様
佐々木 恭子様
加藤 恵利子様

テーマ:その他

Well-beingプロジェクト 1on1の基本研修 ー“ななめ1on1”を始めるに際してー

インタビュー

背景・課題

ウェルビーイング施策としての「ななめ1on1」。一人ひとりが目標を持ち、メンバー同士のつながりを生むために

私たちは約30名が所属するGサステナビリティ戦略統括部門独自の取り組みとして、2023年6月末、半年間のWell-being(ウェルビーイング)プロジェクトをスタートさせました。ウェルビーイングとは、人が身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることです。メンバー1人ひとりのウェルビーイングが、強みや専門性、個性を最大限に発揮し、さらなる成果を出すことにつながるのではと考えました。

プロジェクトは部門内の有志で運営し、前半の3ヵ月はウェルビーイングについての知見を深め、「私たちにとってのウェルビーイング状態」の言語化を行いました。その結果、ウェルビーイングには2つの要素が大きく寄与すると考えました。1つは「個人がワクワクし、気力が充実している状態にあり、職場やプライベートで接する人とお互いを認め合えていること」。もう1つが「個人が自ら達成したい目標を持ち、力を発揮していること」です。

そこで、プロジェクト後半の3ヵ月で行う具体的施策の一つとして考えたのが「ななめ1on1」です。「ななめ1on1」とは、上司や部下など特定の役割に依存せず、ななめの関係性で行う1on1のことです。私たちは普段テレワークが多い中で、同じ部門でもチームメンバー以外と気軽に交流する機会が十分には持てていませんでした。「ななめ1on1」は所属・立場・年齢にとらわれず、他者とのつながりを生み出し、自分の話を聴いてもらうことでワクワクでき、また個としての目標設定にもつながるのではと考えました。

ウェルビーイング施策としての「ななめ1on1」。一人ひとりが目標を持ち、メンバー同士のつながりを生むために

研修企画・狙い

「ななめ1on1」実施前の目線合わせに、専門家の力を借りた理由

「ななめ1on1」の実施にあたり課題となったのが、メンバー間の1on1に対する知識や活用法のばらつきでした。日常的に行っている上司・部下の1on1は、業務報告や承認の時間に使う人もいれば、中長期のキャリアの話に使う人もいます。そこで、1on1に対する目線合わせのために、NOKIOOに研修をお願いしました。

1on1研修に外部の専門家の力を借りようと思った理由は、2つあります。1つは1on1や対話に関する基礎的な知識は、今回の「ななめ1on1」に限らず、普段の仕事上で活かす機会も多いと考えたためです。

もう1つは、全員が安心して「ななめ1on1」に参加できる状態を作ることです。今回の「ななめ1on1」施策は、マネージャ―層に限らず、部門内で興味のあるすべての人を対象にしていました。そのため、1on1の基礎知識やトレーニング経験を持たない人たちが、いきなり「ななめ1on1」を行うケースも想定されました。

本番の「ななめ1on1」開始前に専門家による1on1研修実施というステップを挟むことで、守秘義務など対話にまつわる心配事を最小化するとともに、より多くの人に安心して「ななめ1on1」に参加してもらいたい、という意図もありました。

案内メールで「聴き手」「話し手」それぞれのメリットを明記。参加の動機づけに

研修の目標は、部門におけるウェルビーイングの取り組みやその具体策としての「ななめ1on1」の位置づけを理解すること、また、経験の有無にかかわらず「ななめ1on1」をスタートする土台をつくることの2つに置きました。受講者は1on1の聴き手だけでなく、話し手にもなることを踏まえて企画しました。

受講は希望制でしたが、案内開始から間もなく想定人数に達しました。事前に部門内でWell-beingプロジェクトの中間報告を行い、「ななめ1on1をやります」と告知していたことで、プロジェクトや「ななめ1on1」に対する関心は醸成できていたのではないかと思います。

また、研修の案内メールでは、目的や背景に加え、「研修受講が1on1の聴き手・話し手それぞれにとって、どのようなメリットを享受できるか」を明記したことも効果的だったと感じます。例えば、話し手のメリットとしては、①他者と話をすることで頭の整理や壁打ちができる、②他者に自分の話をすることはウェルビーイング向上やうつリスクの低減効果がある、といった内容です。単なる受講者募集ではなく、一歩踏み込んで具体的なメリットを書いたことが、参加の動機づけになったと考えています。

「ななめ1on1」実施前の目線合わせに、専門家の力を借りた理由

NOKIOOからの提案

Well-beingプロジェクト 1on1の基本研修 ~“ななめ1on1”を始めるに際して~

Gサステナビリティ戦略統括部門におけるWell-beingの取り組みと、具体策としての1on1の位置付けについてチーム内の理解を広め、共通認識を持てる状態を目指します。
「話を聴く側」としての基本を理解し、経験の有無に限らず部内の「ななめ1on1」をスタートする土台をつくります。

Well-beingプロジェクト 1on1の基本研修 ~“ななめ1on1”を始めるに際して~

研修実施・効果

参加者が‟前のめり”な姿勢で受講。実践につながる学びを得て、「ななめ1on1」への土台作りができた

研修は希望した14名が受講し、1on1の基本や実践の重要なキーワードである「対話」についてレクチャーや実践を通じて学びました。小田木講師は一方的にレクチャーするのではなく、受講者に問いを投げかけたり、受講者の発言に対してコメントしたりと、双方向のバランスが良く、受講者は‟前のめり”な姿勢で参加してもらえました。

研修前は「対話」の認識に1人ひとり違いがありましたが、研修を通じて定義や実践ポイントを共有できました。受講者同士の1on1演習では、対話しやすい雰囲気をつくり、相手の意見の背景を聴くという基本動作ができるようになりました。「ななめ1on1」を始めるにあたり、全員で同じ前提を持てたことが良かったと思っています。

また、研修を通じ、自分自身のコミュニケーションの傾向を客観的に振り返ることができ、深い気づきを得ることができたと感じました。中には、研修で「まだまだ1on1のスキルアップが必要だ」と感じた人もいたようです。このような視点も、研修を受けなければ気づかなかったものだと思います。

参加者が‟前のめり”な姿勢で受講。実践につながる学びを得て、「ななめ1on1」への土台作りができた
ななめの関係性アプローチは、ウェルビーイングを高める「人間関係」に寄与。予想以上の効果に

研修後、実際に部門内で「ななめ1on1」を終えた人たちからは、「他者に話を共有することで共感の気持ちを得られた」「自分を深く、客観的に振り返る機会になった」「聴き手の自分にも新たな発見があった」など、話し手としても聴き手としても全面的にポジティブな声が挙がりました。

また、効果測定でも「ななめ1on1」については興味深い結果が得られました。

Well-beingプロジェクトの後半は「ななめ1on1」以外に複数の取り組みを並行しました。例えば、私たちの部門は社内の海外機能と時差の関係上、夜に会議をすることが多いため、「睡眠の質」に関する実験を行ったり、グループ会社を訪問して現場理解を深めたり、メンバー同士の偶発的なコミュニケーションを生むため職場にコーヒーポットを置いたりしました。

これらの取り組みも含め、PERMA理論に基づきウェルビーイングを高める5つの要素、P (Positive Emotion=ポジティブな感情)、E (Engagement=エンゲージメント)、R (Relationships=人間関係)、M (Meaning=意味)、A (Achievement=達成感)のうち、各施策がどこに寄与したと思うかを尋ねたところ、他の施策はP (ポジティブな感情)が一番にきていたのに対し、「ななめ1on1」だけはR (人間関係)が一番だったのです。

今回、「ななめ1on1」で話した相手は1人だけのはずです。しかし、新たに1人と深い関係性を築けたことが、「人間関係」への手ごたえにつながったのではと思います。予想以上に良い効果があったと感じています。

ななめの関係性アプローチは、ウェルビーイングを高める「人間関係」に寄与。予想以上の効果に

まとめ

学びの効果は中長期的に表れるもの。部門全体の対話スキル向上を期待

今回の研修や「ななめ1on1」は期間限定の施策として行ったものですが、参加した人にとっての効果は中長期的に発揮されてくるものと思っています。今後、部門全体の対話スキルや1on1のレベルが上がることを願っています。

この度、Well-beingプロジェクトは2024年上期も運営メンバーの輪を広げた形で継続予定です。「ななめ1on1」は継続リクエストのトップ3に入る施策でしたので、新しいプロジェクトでも継続実施を検討したいと思います。ゆくゆくは部門として定着する施策になるのでは、という予感と期待を持っています。

NOKIOOは弊社の取り組みへの理解度が深く、充実した1on1研修を実施してもらいましたので、これを糧に「ななめ1on1」を実践し、定着支援に取り組みたいと考えています。新しいメンバーが増えたり、学びが薄れてきたりしたときには、再度、目線合わせのお手伝いをお願いできればと思っています。