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導入事例 Case Study

実践伴走型人材育成

管理職・リーダー育成

実践伴走型 人材育成プログラム ー「役割マネジメント」成果を定義し合意形成するー

ヤマハモーターエンジニアリング株式会社

パワートレイン開発部 部長
村松 浩義 様

テーマ:役割マネジメント研修

実践伴走型 人材育成プログラム ー「役割マネジメント」成果を定義し合意形成するー

インタビュー

背景・課題

「期待役割」の考え方に共感。成果や役割の言語化を部門のスタンダードへ

当社はヤマハ発動機グループのものづくりや事業を独自の技術で支える、エンジニア中心の組織です。これまで人材育成は全社研修に加え、部門特有の課題については部門主導で研修を導入してきました。

今回、4ヵ月にわたる実践伴走型の役割マネジメント研修を導入した目的は、大きく2つあります。

1つめは、学びの定着です。以前、NOKIOOの‟対話型問題解決研修”を単発でお願いした際、研修の約3ヵ月後に振り返りのためのフォローアップ研修を提案いただき、実施をしました。すると、受講者から「忘れていたことを思い出せた。研修を受けて終わりではなく、振り返りの場が重要であると認識した」という声が上がりました。私自身、単発の研修は学びの定着に課題があるなと感じていたところでしたので、やはり、学びを定着させ、実践につなげる支援が重要だと思いました。そんなとき、NOKIOOで実践伴走型研修を提供していると知り、関心を持ちました。

2つめは、期待役割という考え方を部門のスタンダードにすることです。期待役割とは、組織やチームが個人に期待する成果と、それを実現するために必要な要件を言語化しメンバーと合意形成を行った上で事業推進につなげることです。組織の成果達成にはマネージャーがメンバーそれぞれと期待役割について対話することが重要であると、NOKIOOが毎月開催している「90分腹落ちセミナー」等でよく耳にしていました。実際、自部門の中でも以前より目標管理制度の中で期待を伝えているチームがあったのですが、そのチームは他チームと比較して従業員エンゲージメントスコアが高いこともあり、その考えに非常に共感し、部門全体で目標管理制度の中でマネージャーからメンバーに「あなたにはこれを期待している」と伝えようと声掛けをしてきました。

しかしながら「期待役割」だけが要因ではないですが、従業員エンゲージメントスコアの変化にはチームによる差、ばらつきがみられました。期待役割の設定、対話についてはマネージャーが自身のやり方で伝えており、言語化のスキルやメンバーとの対話力にはチームごとにばらつきがあったのだと思います。そこで、期待役割の概念を部門として標準化したいと考え、「役割マネジメント」の研修を導入しました。

「期待役割」の考え方に共感。成果や役割の言語化を部門のスタンダードへ

研修企画・狙い

体制変更を機に、部門の‟共通言語”づくりを強化

当社では2022年に組織変更があり、現在の部門体制となりました。期待役割の考え方を部門としてのスタンダードにしたいと考えた背景には、新しい組織として旧来のチームだけでなく、新たに加わったチーム、メンバーに対しても‟共通言語”や共通の仕組みを持ちたいという意図もありました。

役割マネジメント研修の対象者は、部門のマネージャー10名としました。まずは、マネージャーにメンバーとの対話を通して期待役割を言語化するスキルを身に付けてもらいたいと考えたからです。

育成テーマが明確だったこと、実践伴走型というスタイルで実践・浸透につなげたいという目的が明確だったこと、そして、部門内の面談スケジュールに合わせて計画をスピーディに対応する必要があった中、NOKIOOには臨機応変に対応いただけたことで、理想通りのスケジュールで実施することができました。

体制変更を機に、部門の‟共通言語”づくりを強化

NOKIOOからの提案

実践伴走型 人材育成プログラム「役割マネジメント研修」

『役割マネジメント』という概念を起点にし、“チームの成果の最大化”に必要な「成果および成果要件の言語化と合意形成についての考え方と実践方法」を学習します。

成果と成果要件が曖昧なことによるパフォーマンス低下、モチベーション低下の問題を具体化し、役割マネジメントの実践を、適切な業務アサイン、リーダー・メンバー間のコミュニケーション等に応用させて現場で実践するためのポイントを押さえます。

これにより、成果の定義と合意形成が適切に実践できるマネジメントを現場に浸透させることで、取り組むべきテーマに個々が集中できる状態をつくり、メンバーのパフォーマンスが適切に引き出され、結果としてチーム成果と現場での人材育成が活性化されることを目指します。

実践伴走型 人材育成プログラム「役割マネジメント研修」

研修実施・効果

仲間と学ぶ研修。ワークを題材にマネージャー同士の対話が生まれた

4ヵ月かけて実践につなげる本研修は、単発研修に比べると、受講者が学習に取り組む時間やアウトプット量が圧倒的に多くなります。研修には毎月のテーマに合わせ、動画セッションの視聴や1人で取り組むワーク、グループで対話しながら進めるワークなどがたくさん組み込まれており、受講者はインプットとアウトプットを繰り返しながら、小さなトレーニングを重ねていきました。

課題やワークなどはすべて学習プラットフォームに集約されており、システム上で受講者同士がワークの回答を見たりコメントを付けたりできます。ワークをスピーディーに回答する人もいれば、ゆっくり時間をかけて提出する人もいて、お互いのスタイルや考え方を理解しあう場となりました。一人ひとりがシステム上でもっと発信できると良かったのですが、恥ずかしさがあったのか、コメントの書き込みは少なめだったように感じます。しかし、受講者同士が職場で顔を合わせた時には、自然と「あれ、どうしてる?」「こうだよね」と研修での問いを題材に対話が生まれていました。仲間と学ぶスタイルの本研修を経てマネージャー同士の関係性が構築されたことを感じ、研修企画者としては嬉しい光景でした。

4ヵ月という期間はやってみたらあっという間でした。毎月の研修時間はちょうど良く、あえて言うならグループ対話の時間はもっと長くとっても良いと感じたくらいでした。NOKIOOの講師・事務局のサポートもあって、受講者は遅れることなくワークを提出してくれました。受講者は研修やワークに毎週時間を使うものの、事業推進に直結する内容であるためテーマに対する負担感は感じられませんでした。

私が受講者の進捗を追う管理者として心掛けていたのは、受講者と日頃からコミュニケーションをとっておくことです。また、受講者が提出したワークには必ずコメントを付けるようにしていました。10人の進捗を4ヵ月間追うのは大変です。とは言え、10人を一人ひとり支援して育成いくことを考えると、研修で一斉に期待役割の考え方をインプットし、実践につなげる支援ができたことは圧倒的に良かったと感じています。

今年の流行語大賞は「言語化」?!自分の言葉で語れることが、自信につながる

研修では「役割マネジメント」をチームの成果を最大化するための実践と捉え、チームの期待役割を考える機会がありました。「チームの成果の実現要件を3つ挙げるとしたら?」「成果実現において障害になっていることは?」といった問いに対して受講者同士で議論を重ねることで、チームの期待役割を言語化していきます。

このような実践研修を通して、マネージャーが普段から「成果」という言葉を口にする機会が増えたのは、大きな変化です。研修前後で行った受講者アセスメントでは、「チーム成果を起点に考える習慣」「メンバーとの本質的な対話の実践」「組織横断での連携」「チーム運営者としての自信」の全カテゴリーで平均スコアが上がりました。

さらに、「チームの成果を最大化するうえで大事なことを、自分の言葉で語ることができますか?」という質問では、研修前と後で2.4ポイント(10点満点で点数化)もスコアが上がりました。研修後の感想に「私の今年の流行語大賞は『言語化』です」と書いている人もいたほど、「言語化」がキーワードとなりました。自分の言葉で語れることは、自信につながります。マネージャーたちが言語化の重要性に気づき、実践してくれたことが嬉しいです。

仲間と学ぶ研修。ワークを題材にマネージャー同士の対話が生まれた
「あなたの期待役割は明確になっていますか?」エンゲージメントスコアの変化に期待

役割マネジメントは、チームで成果を上げるための第一歩だと思っています。受講者には研修で学んだことを、チームを動かす原動力として活用してほしいです。また、研修で使ったフレームワークやプロセスは期待役割を考えるシーン以外でも応用できますので、いろいろな場面でどんどん使ってもらいたいです。実際に社内の打ち合わせで「あのフレームワークに当てはめてみよう」などと言って使うこともあり、メンバーの共通言語として定着してきたと感じています。

さらに部門として期待するのは、従業員エンゲージメントの変化です。調査の中に、「あなたの役割や成果は明確になっていますか?」という項目があります。実は2021年に目標管理制度の中で期待役割の考え方を導入し、対話を増やそうと声掛けをしただけで、この項目のスコアが前年より10ポイント上がりました。今回、研修を受講したマネージャーたちがメンバーと期待役割について話し合うのは来期に入ってからですが、今後、どのような変化が出るか楽しみにしています。

また、研修をやってみて私自身が気づいたことですが、期待役割は「上から下りてくるもの」ではなく、「自分で考えるもの」という側面が強いところがあります。マネージャーがあらかじめ期待役割を明示してメンバーと対話するのではなく、メンバーが自分の期待役割を明確にしたうえで周囲と対話して合意していくものです。そう考えると、マネージャーだけでなく、中間層が上司やメンバーに伝えていくことが大事です。そのため、今後の役割マネジメント研修対象者は中間層に広げていこうと考えています。

「あなたの期待役割は明確になっていますか?」エンゲージメントスコアの変化に期待

まとめ

研修を「一緒につくっていく」感覚。距離感の近さがNOKIOOの良さ

NOKIOOは私たち会社のことをよくご理解いただき、その時々の課題に対してタイムリーなテーマを提案していただけています。NOKIOOの研修は仲間と一緒に学ぶスタイルですが、研修を企画するうえでも「一緒につくっていく」感覚が強く、研修内容もカスタマイズしてもらえるので、とても助かっています。距離感の近さが、良いと感じるポイントです。研修の中で講師の方々が使う言葉も腹落ちしやすいものが多く、選び抜かれていると感じます。

次のステップとして、対象をリーダー層に広げ、さらに他の部門からも実施の要望があったため、対象者を広げることで‟共通言語”や‟事業としての成果実感”の幅を広げていきたいです。

※村松様の部署・お役職はインタビュー時におけるものとなります